インドネシアで自社に合う人材を採用し、入社後の活躍や定着につなげるためには、候補者を募集して面接するだけでは十分ではありません。採用理由の整理、求める人物像の設定、候補者の募集、スクリーニング、面接、採用決定、オファー、入社後のオンボーディングまでを、一つの採用プロセスとして設計する必要があります。
特にインドネシアの日系企業では、現地人事、配属部門、日本人責任者、現地法人社長、日本本社など、複数の関係者が採用に関与することがあります。求める人物像や評価基準だけでなく、誰が、何を、いつまでに判断するのかを決めておかなければ、選考が途中で止まる可能性があります。
Peoplyeeでは、2013年からインドネシアで日系企業を中心とした採用支援を行ってきました。その中で、採用が長期化する企業には、候補者がいないことだけではなく、採用理由、必須条件、給与予算、評価基準、承認期限が曖昧であるという共通点が見られます。
本記事では、インドネシアで採用を行う日系企業が押さえるべき7つの重要ステップを、現地の採用実務に沿って解説します。
この記事の結論
インドネシアの採用プロセスで特に重要なのは、次の3点です。
- 採用を始める前に、募集理由と必要な役割を明確にする
- 必須条件と歓迎条件を分け、共通の基準で候補者を評価する
- 面接後の判断と社内承認を迅速に進める
採用活動は、オファーレターを提示した時点では終わりません。候補者が実際に入社し、仕事や職場へ適応するまでを一つのプロセスとして管理する必要があります。
本記事では、採用時に説明した仕事内容や条件が入社後の実態と一致しているかを確認し、早期の活躍と定着につなげるため、オンボーディングまでを採用プロセスに含めています。
また、「インドネシアに良い人材がいない」と判断する前に、自社の求める人物像、給与予算、選考期間、勤務地、働き方が現在の採用市場に合っているかを確認することが重要です。
インドネシアの採用プロセスに必要な7つのステップ
インドネシアでの採用プロセスは、次の7つのステップに分けて設計します。
- 採用理由と必要な役割を明確にする
- 求める人物像と仕事内容を設計する
- 採用チャネルを選び、候補者を集める
- 候補者をスクリーニングする
- 面接と必要なアセスメントを実施する
- 採用を決定し、オファーから入社まで管理する
- オンボーディングを実施し、採用結果を改善する
1.採用理由と必要な役割を明確にする
求人を公開する前に、なぜ新しい人材が必要なのかを明確にします。採用は、社員が退職して欠員が発生したときだけに行うものではありません。事業計画、組織の生産性、社員の業務負担、将来必要となるスキルを確認し、必要なタイミングで人員体制を見直す必要があります。例えば、次のような状況が続いている場合は、新たな人材の採用や人員配置の見直しを検討します。
- 既存社員の残業や業務負担が増えている
- 業務の遅れやミスが増えている
- 売上目標や事業目標を達成できていない
- 社内に必要な専門スキルがない
- 新規事業や大規模プロジェクトに対応できない
- 特定の社員に業務や情報が集中している
- 顧客対応の品質やスピードが低下している
ただし、問題があるからといって、必ずしも外部採用が必要とは限りません。採用を始める前に、次の選択肢を比較しましょう。
- 新しい人材を外部から採用する
- 既存社員を昇進または配置転換する
- 既存社員を育成する
- 業務を自動化する
- 業務を外部委託する
- 業務内容や組織体制を見直す
外部採用が必要だと判断した場合は、募集理由を明確にします。主な募集理由には、次のようなものがあります。
- 退職者の欠員補充
- 事業拡大に伴う増員
- 新規事業やプロジェクトの開始
- 社内にない専門スキルの獲得
- 後継者や次世代管理職の採用
- 既存社員の業務負担の軽減
募集理由によって、求める候補者、入社時期、採用予算、選考方法は異なります。例えば、退職者の欠員補充では、短期間で業務を引き継げる経験者が必要になる場合があります。一方、新規事業のための採用では、過去の経験だけでなく、変化への対応力や新しい仕組みをつくる能力も重要です。採用開始前に、人事、配属部門、経営者の間で、少なくとも次の項目を確認しましょう。
- 採用理由
- 募集する役職と人数
- 入社後の役割
- 入社後に期待する成果
- 給与レンジ
- 希望する入社時期
- 面接官と選考回数
- 最終採用の決定者
- 給与条件の承認者
- 日本本社の承認が必要な範囲
日系企業では、採用開始後に日本本社の承認が必要だと分かり、選考が止まるケースがあります。募集を始める前に、現地法人で決定できる範囲と、日本本社の承認が必要な範囲を確認しておくことが重要です。採用は単なる欠員補充ではなく、事業目標を達成するための経営判断です。
2.求める人物像と仕事内容を設計する
採用理由と必要な役割を明確にしたら、求める人物像と仕事内容を設計します。求める人物像とは、募集ポジションで成果を出すために必要な経験、スキル、知識、行動特性などを整理したものです。インドネシアの日系企業では、次のような条件をすべて必須にすることがあります。
- 日本語能力
- 英語能力
- 日系企業での勤務経験
- 特定業界での経験
- 専門資格
- マネジメント経験
- 予算内の希望給与
条件を増やしすぎると、候補者の母集団が極端に小さくなります。採用条件は、次の3つに分けましょう。
- 入社時点で必ず必要な条件
- あれば望ましい条件
- 入社後に育成できる能力
採用市場に人材がいないのではなく、企業が条件を狭めすぎている場合もあります。求める人物像を整理したら、仕事内容(Job Description)を作成します。仕事内容には、少なくとも次の項目を記載しましょう。
- 役職名
- 募集理由
- 主な業務内容
- 責任範囲と権限
- 必須条件と歓迎条件
- 配属先と直属の上司
- 勤務地と勤務時間
- 雇用形態
- 給与レンジと福利厚生
- 使用する言語
- 入社後に期待する成果
- キャリアパス
「その他、会社が指示する業務」といった曖昧な表現だけでは、候補者が実際の仕事を理解できません。業務内容、任される範囲、入社後に期待する成果を具体的に説明しましょう。
日本語能力は実際の業務に合わせて設定する
日本語を使用するポジションでも、必要な能力は業務によって異なります。例えば、次のように分けて考えます。
- 日本人上司との日常会話
- 社内メールの読み書き
- 会議での通訳
- 日本語文書の作成
- 日本人顧客との交渉
日本語能力試験の資格だけでは、実務上のコミュニケーション能力を正確に判断できない場合があります。「N2以上」と記載するだけでなく、実際にどの業務で日本語を使うのかを明確にしましょう。
3.採用チャネルを選び、候補者を集める
求める人物像と仕事内容を設計したら、募集する職種や候補者層に合った採用チャネルを選びます。代表的な採用チャネルには、次のようなものがあります。
- 求人サイト
- 人材紹介会社
- ダイレクトスカウト
- 社員紹介
- SNS
- 専門コミュニティ
- 大学や教育機関との連携
若手人材や一般職では、求人サイト、SNS、大学などを通じて候補者を集めやすい場合があります。一方、専門職、管理職、日本語人材など、対象となる人材が限られるポジションでは、求人を掲載して応募を待つだけでは十分な候補者を確保できないことがあります。
その場合は、人材紹介会社、ダイレクトスカウト、社員紹介、専門コミュニティなどを通じて、現在は積極的に転職活動をしていない潜在候補者へアプローチします。候補者への連絡では、企業が求める条件だけでなく、候補者が入社することで得られる価値を伝えましょう。
- 任される役割と権限
- 直属の上司とチーム体制
- 得られる経験や専門性
- キャリアアップの可能性
- 日本語や英語を使う機会
- 評価や昇進の仕組み
- 給与、福利厚生、働き方
「日系企業だから興味を持ってもらえる」と考えるのではなく、他社と比較したときに、自社で働く価値を具体的に説明できる状態にすることが重要です。応募数が多い採用チャネルが、必ずしも効果的とは限りません。チャネルごとに、次の指標を確認しましょう。
- 応募者数
- 求める人物像を満たす候補者数
- 書類選考通過率
- 面接参加率
- 内定率
- 入社率
- 採用単価
- 入社後の定着率
採用チャネルの詳しい特徴や職種別の選び方については、別記事「インドネシアで優秀な人材を採用する5つの採用チャネル」で詳しく解説しています。
タレントプールを活用する
すぐに転職へ進まない候補者も、将来の採用候補としてタレントプールで管理できます。候補者の同意を得たうえで、次のような情報を記録します。
- 過去の接点
- 経験やスキル
- 希望職種
- 希望条件
- 転職可能な時期
- 再連絡の時期
候補者情報を保存する場合は、利用目的、閲覧権限、保存期間、削除方法を定め、適用される法令や社内規定に沿って管理することが重要です。
4.候補者をスクリーニングする
応募が集まったら、仕事内容と求める人物像に基づいて候補者を確認します。書類選考では、主に次の項目を確認します。
- 関連する経験と専門スキル
- 業界や職種の経験
- 語学力
- 資格
- マネジメント経験
- 転職理由と各社での在籍期間
- 現在の居住地
- 希望給与
- 入社可能時期
転職回数だけで候補者を判断せず、それぞれの転職理由、役割の変化、キャリアの一貫性を確認しましょう。ATSを使えば、候補者情報と選考状況を一元管理し、必要な条件を満たす人材を探しやすくなります。
ただし、キーワードだけで候補者を除外すると、条件に近い優秀な人材を見落とす可能性があります。資格や職歴だけでなく、これまでの成果や、入社後に成長できる可能性も含めて確認しましょう。
事前スクリーニングで基本条件を確認する
書類選考を通過した候補者には、電話やオンラインで事前スクリーニングを行います。主な確認項目は、次のとおりです。
- 現在の仕事内容
- 転職理由
- 応募理由
- 現在の基本給与と総合待遇
- 希望給与と希望条件
- 退職通知期間
- 入社可能日
- 他社の選考状況
- 現在の居住地と通勤時間
- 出社頻度への希望
基本給だけでなく、固定手当、THR、賞与、インセンティブ、保険などを含む現在の総合待遇を確認することが重要です。インドネシアでは、候補者との日程調整や簡単な連絡にWhatsAppが広く使われています。ただし、採用条件や選考結果などの重要な連絡については、メールや正式な書面もあわせて使用しましょう。
勤務地と通勤時間を確認する
ジャカルタ首都圏では、地図上では近くても、交通渋滞や公共交通機関へのアクセスによって通勤時間が長くなることがあります。通勤負担は、応募、内定承諾、入社後の定着に影響します。勤務地だけでなく、候補者が実際にどのような交通手段で、どの程度の時間をかけて通勤するのかも確認しましょう。
THRと入社時期を確認する
レバラン前後には、THRの受給時期を考慮して退職日や入社日を決める候補者もいます。退職通知期間だけでなく、THRの受給時期と希望入社日の関係も確認しましょう。企業の希望入社日だけで調整すると、候補者との条件が合わなくなる可能性があります。
5.面接と必要なアセスメントを実施する
面接では、候補者の経験や知識だけでなく、過去にどのような行動を取り、どのような成果を出したかを確認します。質問内容、評価項目、採点基準をあらかじめ設定する構造化面接を取り入れることで、面接官による質問や評価のばらつきを抑え、候補者同士を比較しやすくなります。例えば、次のような項目を評価します。
- 専門スキル
- 問題解決力
- コミュニケーション能力
- マネジメント能力
- 転職理由と応募動機
- 成長可能性
- 企業の価値観や職務上必要な行動基準への適応可能性
- チームで求められる協働行動
曖昧な印象で評価しない
日系企業では、次のような曖昧な言葉が候補者の評価に使われることがあります。
- 素直そう
- 日系企業の働き方に合いそう
- コミュニケーションがよさそう
- 異文化環境に適応できそう
- 報連相ができそう
しかし、これらの意味が定義されていなければ、面接官によって評価が変わります。例えば、「報連相ができる人」を確認する場合は、次のように質問します。
- 問題が発生した際、誰へ報告しましたか
- どのタイミングで報告しましたか
- どのような情報を共有しましたか
- なぜその相手とタイミングを選びましたか
- その結果、どのような判断が行われましたか
また、異なる文化や働き方を持つ相手と協働できるかを確認する場合は、次のような具体的な行動を質問します。
- 考え方の異なる上司や同僚と働いた経験
- 意見が対立した際にどのように調整したか
- 相手の期待をどのように確認したか
- 自分の伝え方や進め方をどのように変えたか
- その結果、どのような成果につながったか
印象や面接官との相性ではなく、候補者の過去の具体的な行動に置き換えて評価することが重要です。
アセスメントは職務に合わせる
必要に応じて、職種に合ったアセスメントを追加します。代表的な方法には、次のようなものがあります。
- 課題テスト
- 職務知識の評価
- 業務シミュレーション
- 語学テスト
- 性格・適性検査
- リファレンスチェック
すべてのポジションに同じテストを行う必要はありません。職務上必要な能力を確認できる方法に絞り、候補者へ過度な負担をかけないことが重要です。面接回数や課題が多すぎると、選考期間が長くなり、候補者が他社の選考を優先する可能性があります。
具体的な選考方法の特徴や職種別の使い分けについては、別記事「インドネシアで自社に合う人材を見極める14の採用選考方法」で詳しく解説しています。
6.採用を決定し、オファーから入社まで管理する
面接が終了したら、あらかじめ設定した評価基準に基づいて候補者を比較します。各面接官は、他の面接官と相談する前に、自分の評価を記録しましょう。最初に発言した人や役職の高い人の意見に、他の面接官が影響されることを防ぎやすくなります。
面接後の判断期限を決める
優秀な候補者は、複数企業の選考を同時に受けている可能性があります。そのため、面接後の判断や承認が遅れると、候補者が他社のオファーを選ぶ可能性があります。採用開始前に、次の期限を決めておきましょう。
- 面接評価の入力期限
- 次回選考の案内期限
- 最終面接後の採否判断期限
- 給与条件の承認期限
- オファーレターの発行期限
日本本社の承認が必要な場合は、承認者だけでなく、回答期限と不在時の代理者も決めておくことが重要です。
必要な範囲でバックグラウンドチェックを行う
職種や役割に応じて、学歴、職歴、資格、過去の勤務状況などを確認する場合があります。バックグラウンドチェックを実施する場合は、候補者へ目的と確認項目を説明し、同意を得たうえで、職務との関連性があり、適用される法令や社内規定に沿った範囲に限定しましょう。候補者情報については、利用目的、閲覧権限、保存期間、削除方法も定める必要があります。リファレンスチェックの回答だけで採否を決めることは避け、面接、スキル評価、経歴との整合性を含めて総合的に判断しましょう。
総合待遇を説明する
オファー時には、役職、業務内容、給与、福利厚生、勤務条件、入社日を明確に伝えます。インドネシアの候補者は、基本給与だけでなく、次のような総合待遇で企業を比較する場合があります。
- 基本給与と固定手当
- THR
- 賞与やインセンティブ
- BPJS
- 民間医療保険
- 税引前・税引後の給与条件
- 勤務地
- 出社頻度
- 雇用形態
月額給与だけでなく、年間で受け取れる報酬と福利厚生の全体像を説明しましょう。また、仕事内容、直属の上司、評価基準、キャリアパスも入社前に説明し、企業と候補者の期待値を合わせる必要があります。
内定承諾後もフォローする
候補者がオファーを承諾しても、実際に入社するまでは状況が変わる可能性があります。現職からの引き留め、退職手続き、家庭の事情などにより、入社日や転職意思が変わる場合があります。入社日まで、次の項目を確認しましょう。
- 現職への退職通知状況
- 退職予定日
- 必要書類の準備
- 入社日の変更
- 入社前の質問や不安
- 現職からの引き留めなど、入社意思や入社日に影響する事情
採用プロセスは、オファーレターを送った時点では終わりません。
7.オンボーディングを実施し、採用結果を改善する
本記事では、採用時に説明した仕事内容や条件と、入社後の実態が一致しているかを確認し、早期の活躍と定着につなげるため、オンボーディングまでを採用プロセスに含めています。採用した社員が入社したら、会社、仕事、チームへ適応するためのオンボーディングを行います。オンボーディングは、人事部門だけで進めるものではありません。直属の上司、チームメンバー、IT、総務など、関係者が役割を分担する必要があります。入社前に、少なくとも次の項目を準備しましょう。
- 雇用契約書と必要書類
- PC、メールアドレス、社内システム
- 座席や必要な備品
- 初日のスケジュール
- 業務内容と目標
- 研修計画
- 上司やチームメンバーとの面談
- 試用期間中の評価基準
バディ制度を活用する
直属の上司とは別に、日常的な質問や相談に対応するバディを設定する方法もあります。バディは、社内ルール、仕事の進め方、チーム内のコミュニケーション方法などを説明し、新入社員が相談しやすい環境をつくります。特に日本人上司とインドネシア人社員の間では、指示の受け取り方、報告のタイミング、仕事に対する認識が異なる場合があります。「分からないことがあれば聞いてください」と伝えるだけでなく、定期的な確認の場を設けることが重要です。
入社後の状況を定期的に確認する
オンボーディングでは、初日だけでなく、入社後の一定期間、継続的に状況を確認します。例えば、次のタイミングで面談を行います。
- 入社1週間後
- 入社1カ月後
- 試用期間の中間
- 試用期間の終了前
確認する内容は、次のとおりです。
- 仕事内容を理解しているか
- 上司から必要な支援を受けているか
- 入社前の説明と実際の仕事に違いがないか
- チームの人間関係に問題がないか
- 業務上の困りごとがないか
- 目標と評価基準を理解しているか
新入社員だけでなく、直属の上司やバディからも意見を集めましょう。入社後に発生した問題を採用部門へフィードバックすることで、求める人物像、仕事内容、面接内容、候補者への説明を改善できます。
採用結果を振り返る
採用プロセスは、入社後の結果まで確認して改善する必要があります。例えば、次のようなKPIを確認します。
- 採用までの日数
- 採用単価
- 書類選考通過率
- 面接通過率
- 内定承諾率
- 入社率
- 試用期間終了時の在籍率
- 入社後の定着率
- 独り立ちまでの期間
- 入社後の評価
入社後に早期離職やミスマッチが発生した場合は、候補者本人だけの問題と考えず、求める人物像、求人情報、面接での評価、入社前の説明、オンボーディングに改善すべき点がなかったかを確認しましょう。
Peoplyeeが考えるインドネシア採用で重要な3つの視点
Peoplyeeがインドネシアの日系企業の採用を支援する中で、採用の成果を左右すると考えるのは、次の3点です。
1.求める人物像の現実性
語学力、専門経験、日系企業経験、マネジメント経験をすべて必須にすると、候補者の母集団が極端に小さくなります。採用市場に合わせて、必須条件、歓迎条件、入社後に育成できる能力を分ける必要があります。
2.採用判断のスピード
候補者の能力が高くても、面接後の評価や社内承認が遅ければ、候補者が他社への入社を決める可能性があります。現地人事、日本人責任者、現地法人社長、日本本社の役割と判断期限を、募集開始前に決めておくことが重要です。
3.入社前後の期待値
仕事内容、権限、直属の上司、評価基準、キャリアパスについて、企業と候補者の認識を入社前に合わせる必要があります。採用できても、「聞いていた仕事と違う」と感じれば、早期離職につながる可能性があります。インドネシア採用では、良い候補者を見つけるだけでなく、迅速に判断し、入社後まで一貫して支援することが重要です。
インドネシア採用を始める前のチェックリスト
採用活動を開始する前に、次の項目を確認しましょう。
□ 採用理由が明確か
□ 入社後の役割と成果が決まっているか
□ 外部採用以外の選択肢も検討したか
□ 必須条件と歓迎条件を分けているか
□ 給与レンジが市場に合っているか
□ 募集職種に合った採用チャネルを選んでいるか
□ 面接官と評価基準が決まっているか
□ 面接回数が必要以上に多くないか
□ 最終採用の決定者が決まっているか
□ 給与条件の承認者が決まっているか
□ 各選考段階の回答期限が決まっているか
□ 候補者へ説明する総合待遇が整理されているか
□ 内定承諾後のフォロー担当者が決まっているか
□ オンボーディングの準備ができているか
□ 入社後の採用結果を振り返る仕組みがあるか
これらが決まっていない状態で募集を開始すると、選考途中で判断が止まり、候補者が他社の選考やオファーを優先する可能性が高まります。
インドネシアの採用プロセスに関するよくある質問(FAQ)
Q. インドネシアの一般的な採用プロセスはどのような流れですか?
A. 一般的には、採用理由と求める人物像の整理、候補者募集、スクリーニング、面接・アセスメント、採用決定・オファー、入社準備、オンボーディングという流れです。企業の規模、職種、役職によって、面接回数や承認者は異なります。
Q. インドネシアで採用を始める前に何を決めるべきですか?
A. 採用理由、役割、必須条件、給与レンジ、入社時期、面接官、評価基準、最終承認者を決める必要があります。日本本社の承認が必要な場合は、承認者、回答期限、不在時の代理者も確認しましょう。
Q. インドネシアで自社に合う候補者を集めるにはどうすればよいですか?
A. 必須条件と歓迎条件を分け、仕事内容、権限、直属の上司、キャリアパスを具体的に説明することが重要です。求人掲載だけで集まりにくい場合は、人材紹介会社、ダイレクトスカウト、社員紹介、専門コミュニティなども活用しましょう。
Q. インドネシアの採用面接で確認すべきことは何ですか?
A. 経験やスキルだけでなく、転職理由、現在の基本給与と総合待遇、希望条件、退職通知期間、入社可能日、居住地、通勤時間、他社の選考状況などを確認します。日本語人材では、資格だけでなく、実際の業務に必要な会話、読み書き、通訳、文書作成などの能力を確認しましょう。
Q. インドネシアで内定辞退を減らすにはどうすればよいですか?
A. 面接後の判断と社内承認を迅速に行い、候補者を長期間待たせないことが重要です。基本給与だけでなく、THR、手当、保険、役割、直属の上司、評価制度、キャリアパスを説明し、内定承諾後も入社日まで連絡を続けましょう。
Q. 採用後にオンボーディングが必要な理由は何ですか?
A. 入社した社員が仕事、チーム、社内ルールを理解し、早期に活躍できる状態をつくるためです。また、採用時に説明した仕事内容や条件と入社後の実態に違いがないかを確認し、求める人物像や選考方法を改善するためにも必要です。
まとめ
インドネシアで採用を成功させるためには、候補者の募集や面接だけでなく、採用理由の整理からオンボーディングまでを一つのプロセスとして設計する必要があります。採用プロセスに必要な7つのステップは、次のとおりです。
- 採用理由と必要な役割を明確にする
- 求める人物像と仕事内容を設計する
- 採用チャネルを選び、候補者を集める
- 候補者をスクリーニングする
- 面接と必要なアセスメントを実施する
- 採用を決定し、オファーから入社まで管理する
- オンボーディングを実施し、採用結果を改善する
特に日系企業では、現地人事、配属部門、日本人責任者、現地法人社長、日本本社の間で、求める人物像、評価基準、承認者、回答期限を共有することが重要です。
候補者の能力が高くても、企業側の判断が遅れれば、候補者が他社への入社を決める可能性があります。また、採用できても、仕事内容、直属の上司、評価基準、キャリアパスについて認識が異なれば、早期離職につながる可能性があります。「インドネシアに良い人材がいない」と判断する前に、自社の求める人物像、給与予算、採用チャネル、選考期間、勤務地、働き方が現在の市場に合っているかを見直しましょう。
採用プロセスは、候補者を採用するためだけの仕組みではありません。自社に合う人材と接点をつくり、共通の基準で評価し、迅速に判断し、入社後の活躍と定着につなげるための一連の仕組みです。
Peoplyeeでは、インドネシアで採用活動を行う日系企業に向けて、人材紹介、求める人物像の整理、採用チャネルの選定や人事管理システムの活用に関する支援を提供しています。インドネシアでの人材採用や採用プロセスに課題を感じている企業様は、ぜひPeoplyeeまでご相談ください。

